よくあるご質問

操作に関するご質問/トラブルシューティング

指示通りに細胞を播種しましたが、1日目の培養結果がユーザーガイドに掲載されているものよりも細胞密度が少ないのはなぜですか?

hiPS細胞を回収する際にダメージを受けた可能性があります。ユーザーガイドの指示に従って、Solution D1を使用した後、数回のピペッティング操作を行うだけで、hiPS細胞が剥離されるのが理想的です。ピペッティングを15回行っても培養されているすべての細胞が剥離しない場合、さらにピペッティングをしようとはせず、剥離した細胞だけを回収してください。代わりに培養液をPBSでリンスし、再度Solution D1処理を行い、インキュベーション時間を長くしてください(最大20分まで)。次回は、ディッシュ/ウェルをコーティングするために使用される基質の濃度を50-70%に下げてください。

1日目の培養で、ウェルの中心部にのみ細胞が接着し、周辺部には接着していない場合、どうすればよいですか?

ウェルの中心部に細胞が凝集(=播種時の手技の問題)していなければ、コーティングの問題が考えられます。なお、Nunc社製の4ウェルプレートでは、当社のコーティング条件を適用すると、ウェルの周辺部に細胞が定着しないことがあることが確認されています。次回は、24ウェルプレートを使用して以下のことをお試しください。1)コーティング剤を入れたプレートを37℃で2時間インキュベートする代わりに、4℃で一晩インキュベートする。2)コーティング完了後、上澄み液を完全に吸引せずウェル底面を覆う程度に上澄み液を残すことで乾燥するのを防ぐ。

1日目に細胞がウェルの中央に凝集して接着していた場合はどうしたらいいですか?

mRNAを用いた分化誘導においては、このような場合は分化効率が非常に低いことが予想されるため、分化誘導を始めることはお勧めできません。Mesendoderm RNAを含むmRNAベースの分化誘導を成功させるには、細胞がウェル内に均一に分布している必要があります。細胞が凝集して接着してしまう原因としては、プレートを振りすぎたことにより細胞が浮いている間にウェルの中央に溜まってしまった可能性などがあります。場合によってはCO₂インキュベーター内に入れる前に、振動のない平らなベンチトップに15分間放置してください。

1日目に多くの浮遊細胞や細胞の残骸が見られるのはなぜですか?

hiPS細胞を採取する際に機械的に回収したか、ピペッティングの回数が多すぎた、または勢いが強すぎたことでダメージを受けた可能性があります。Solution D1で処理したhiPS細胞は、15回までのピペッティングで剥離し、スクレイピングは行わないようにしてください。

 

キットを使用する前に、どのくらいの期間、hiPS細胞を維持する必要がありますか?

分化を開始する前の細胞は、典型的なhiPS細胞の形態(細胞質領域が小さく、細胞が密に詰まった丸いコロニー)を示し、自発的に分化する細胞が少なく、正常な増殖率(例:1日2倍になる)で安定して培養されている必要があります。そのため、分化させる前に凍結ストックから融解後少なくとも14日間は培養し、培養中は80%以上のコンフルエントに達しないように適宜継代を行ってください。